歯周病治療

歯周病は、歯と歯肉の隙間からバイ菌が侵入して発症します。進行すると、歯を支えている土台の骨の部分が侵され消失してしまうので、詰め物で治せるムシ歯の治療とは、治療の仕方が全然違うものです。
最近の歯周病治療は、失われた歯肉、歯槽骨(骨の周りの骨)を再生させつつ治す方向(歯周外科・GTR・インプラント)と、治った後の再発を防止する方向(歯のクリーニング、PTC、PMTC)から行われるようになってきております。
《歯周病と従前の治療後》
 

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歯周病の原因



原因1
細 菌 人間の口の中には元々、多くの種類の細菌がいます。
これらの細菌の多くは病原性が低いのですが、最近の研究で、特に毒性の高い細菌の種類が判ってきました。
原因2
応 力 歯を支えている骨(正確には歯根膜と歯槽骨)は歯ぎしりや、歯並びの乱れ(不正咬合)によって許容限度を超えた応力が加わることによって部分的に破壊されることがあります。
原因3
健 康 免疫機能によって人の身体は守られていますが、精神・身体の疲労が蓄積すると、免疫機能が低下することが、最近の研究で明らかになってきました。
また、20歳を過ぎると少しずつ、身体の活性・再生能力は落ち始めます。
さらに、成人病、特に糖尿病は免疫機能、再生機能の低下が指摘される疾患です。
喫煙はニコチンが末梢血管を縮小させ、歯肉や骨の再生機能に障害があるとされています。
歯周病は、あなたの普段の生活習慣に関連して発症する生活習慣病と考えられるようになってきました。

以上の3つの因子が複合した場合に、歯周病が発症すると考えられています。


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プラークコントロール(細菌の除去)


歯周病の治療の基本は、歯の表面に付着している細菌の塊(プラーク)を除去することです。
特殊な染料で染め出してみると、歯ブラシで磨き残したプラークがハッキリと判ります。この、「赤く染め出された部分」には、約100種類の細菌が共生しており、粘着性の物質(デキストラン)で歯の表面に付着しています。 このような微生物の付着をバイオフィルムといいます。
これは、ウガイでは取り除けません。歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどで物理的に取り除く必要があります。
しかし、自己流の歯磨きは磨き残しがあり、歯の表面を磨耗させたり歯肉を傷つけたりするため、正しい、効率的な歯ブラシの使用方法をマスターして戴くようにします。
このステップを、TBI(Tooth-Brashing-Instraction)といいます。

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咬合治療


前歯から奥歯までそれぞれの機能に応じた形をしていますが、表に出ている約2倍の長さの根(歯根)が顎の骨の中で支えています。
奥歯では筋肉(咀嚼筋群)によって80Kg程度の力で噛むことができますが、これを支えるのは歯根です。
歯並びの不正や喰いしばり、歯の表面の磨耗などによって過大な力が長い期間作用すると歯根の周囲の顎の骨が消失し始めます。>



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歯周ポケットの測定と記録

歯と歯肉の間の溝は歯周ポケットと呼ばれます。歯周病の診断に欠かせないのが歯周ポケットの深さの測定で、mm単位で記録されます。
通常15g程度の極軽い圧力で特殊なスケールを用いて、個々の歯の全周のポケットの深さ・歯石の付着(触診で診断)・出血(炎症がある場合)を測定・記録します。
この測定値は診断の基本となるとともに、治療後に再度測定して、治療の効果の評価・予後の判定にデジタルデータとして活用されます。

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歯周ポケットの除菌

【左図】
歯周ポケットが比較的浅い場合は、歯ブラシの適正な使用と、歯周ポケット内の細菌の塊(バイオフィルム)と歯石を超音波器具やレーザーで取り除くことによって完治します。
【右図】
歯周ポケットがやや深くなり、歯の周囲を支えている骨(歯槽骨)が部分的に無くなり始めた場合では、通常は麻酔をしてバイオフィルムと歯石を取り除きますが、歯槽骨が消失しはじめた部分には、症例に応じて浅い切開をして汚染された歯根を露出して完全な除菌処置をします。

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歯周ポケットと歯槽骨

歯周ポケットの深さが5mm以上になると、歯根の周囲の骨(歯槽骨)が消失し始めます。歯槽骨の消失の程度と深さを正確に診断して治療方法を判断します。
消失した歯槽骨を再生する治療は現在可能です。
しかし、限度を超えた歯槽骨の消失は、予後が悪いのみならず、隣り合った歯の周囲の歯槽骨の消失を引き起こすために、残すよりは抜歯する場合もあります。

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歯槽骨再生治療

深い歯周ポケットのために消失した歯槽骨を再生する治療法としては、麻酔して歯肉を切開し、骨を再生させる膜を歯肉の下に敷きこむ治療(GTR法)・骨を再生する物質(エムドゲン等)を埋め込む治療・人工骨を埋め込む治療などがあります。

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歯周病のメンテナンスと予防

歯周病のメカニズムと治療について御覧いただきました。
歯周病の原因は細菌感染であり、その発症の誘因は、かみ合わせの力のアンバランスと全身的健康の不調による免疫力の低下であることを再度お知らせします。
歯周病は、毎日の歯の清掃を隅々まで行うホームケアと、定期的に歯と歯茎の健康状態を検診して早期に治療するデンタルケアによって、再発防止・予防が可能です。
しかし、重症になれば、治療期間と費用が増大するのみならず、細菌感染に起因する血管系障害、肺炎などの全身疾患の発症の危険性が最近の学会報告で指摘され始めました。
自己流の判断や、間違った医療情報に惑わされず、科学に基づいたプロフェッショナルなケアと治療をお勧めします。


その他、疑問な点はご質問下さい。




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